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音のかけらたち〜歌い手の為のブログ〜

歌い手の為のブログ。音楽に関する情報、雑学を書いていきます。初心者必見です!

腹式呼吸を練習しても高い声は出ない?

ボイトレスクールによくいる講師で、腹式呼吸をマスターし、お腹から強い息を送れるようになれば地声の高音域が出るようになると教えている講師がいます。

はっきり言うとこれは間違いです!!

この間違いに気づかずに強い息を送り続けていると、声帯に負担がかかり、痛めてしまう原因になります。


今日は腹式呼吸で、強い息を送れば地声の高い声が出るというのは間違いだということを、説明していきたいと思います。


まず胸式呼吸になってしまっている場合。わかりやすいのは、息を吸うときに肩が上がってしまう(肩上げブレスとも呼ばれる)人です。上半身の余計な部分に力が入ってしまうので、綺麗な高い地声は出ないでしょう。出ても1曲フルで歌ったらすぐ声が枯れたり、浅いキンキンした声になっていたりします。


では腹式呼吸の場合はどうでしょう?

上手にできていればブレスコントロールができるので歌自体は上手くなるでしょう。しかし高い声とは関係ありません。


それがなぜかを知るために、高い声が出る原理を見てみましょう。

簡単に言えば声帯は2本のヒダでできていて、ギターの弦によく例えられます。この地球上で、音の高さを決めているのは振動の速さです。振動の速さを決める要素は物体の

①長さ

②太さ、厚み

③重さ

で構成されています。


ギターの弦をチューニングする時、引っ張ると高くなりますし、細い弦ほど高くなります。重さは単純に細い弦の方が軽いですね。


声帯も同じく高音では前後に伸び、厚みは薄くなります。そして男性より女性の方がサイズが小さいので軽いです。高い声が出る仕組みは、こんな感じと思ってもらえれば良いです。


ここで、息の量と強さが問題になります。息で声帯を振動させてるのなら、強い息を出せば声帯の振動数は上がるのでは?と考える人がいます。

実際に強い息を出せば、ムリやり振動数を上げることができるのは事実です。すぐに半音か全音高い声が出るようになるでしょう。


しかし発声において大事なのは、結果だけではなく理由が重要です。


「強い息を送ったこと」が、高い声が出るようになったのではありません。「強い息に対抗し、声帯をムリやり締め上げ、引っ張ること」が理由で出たのです。


こういう人はとても分かりやすい傾向があります。

①大きい声でしか地声高音域が出せない

②苦しそうな、詰まった声質

③キンキンした、倍音の少ない声質

④すぐに声が枯れる、喉が痛くなる

⑤ひっくり返り傾向が強い


こんな感じですかね。当てはまってる方は多いのではないでしょうか?要因は強い息というだけではありませんが、重要な一因であることは間違いないです。

もう一度ギターに例えるなら、弦をいくら強く弾いたところで、高い音は出ません(歪みは除く)。声帯も同じです。


このような出し方は危険なので、歌手を目指すのであればすぐにやめましょう。声帯結節の原因にもなります(-。-;


まとめ

「あくまで腹式呼吸はブレスコントロールの役目であり、地声高音域を正しく出すためには、声帯の使い方と適切な息の量が重要である。」というのが正しい解釈です。


ただし、地声高音域が出ない要因はこれだけではありません。それはいずれ記事にしたいと思います。


ありがとうございました。



穏晴